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第2回ロボスクエア杯レポート

寄稿:大林憲司氏
初出:大林憲司の隠れ屋敷 2004/4/4(日)
【はじめに】
 ニュースでも紹介されたが、福岡県には「ロボット特区」がある。その事実が物語るように福岡県はロボットの開発に熱心な所で、福岡市博多区の商業施設「博多リバレイン」の内部には、ロボットを一般に紹介するコーナー「ロボスクエア」まであるくらいだ。
 そのロボスクエアで『ロボスクエア杯』なるイベントが開催され、ROBO-ONEで活躍したロボットたちが出場するという。ROBO-ONEは身長四十センチくらいの二足歩行ロボットが打撃技で戦う競技で、「ロボットによるKー1」だと思っていただければ間違いない。
 私は東京にいた頃、ROBO-ONEをよく見に行っていた。なんせ第一回の予選で「優勝したロボットがペットボトルをなぎ倒す」パフォーマンスを見ていたりするぐらいだ。そのROBO-ONE戦士が福岡で見られる。これは行かねばなるまいと心に決めた。

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【ロボスクエア杯とは?】
 ROBO-ONE戦士が出場するからといって別に格闘バトルをやるわけではない。三対三のサッカーの試合と背中につけた風船を割るバルーンファイトがその内容だ。
 そして『ロボスクエア杯』は、3月27日28日の両日に11時・13時・15時の三回、計六回同じ競技が繰り返される。むしろ競技というよりは「ロボスクエアで行われる春休みイベント」の意味合いが強いものだ。
 福岡ではロボカップジャパンオープンが開催されたこともあり、ロボットサッカー「ロボカップ」人気が高い。三対三のサッカー試合が組まれたのもロボスクエアからの要請なのだろう。

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【ロボスクエア杯の意義】
 実を言うと、私もこの『ロボスクエア杯』の「とんでもなさ」に当日まで全く気がついていなかった。と、いうより今でも世界はこの『ロボスクエア杯』のことをほとんど知らないだろうし、当日その場所にいた人間にもその凄さは見えていないかもしれない。
 それでは何がとんでもないのか。それは「二足歩行ヒューマノイドロボットによるサッカーの試合が成立していた」ことだ。
 むろんロボットがサッカーをする「ロボカップ」は存在し、その中にはちゃんとヒューマノイドリーグがある。しかし、ロボカップ・ヒューマノイドリーグで行われる競技は、身長の五倍の長さを歩くタイム競技と1対1のPK勝負だ。つまり「サッカーの試合」が行われてはいないのだ。
 「ロボカップ」ですら行われていないサッカーの試合を、よりにもよって博多の地下で実現してしまった。それが『ロボスクエア杯』の「とんでもなさ」なのだ。
 むろんロボカップだけでなく、たとえばソニーのキュリオが何体か集まってサッカーの試合をやることは技術的には十分可能だ。
 しかし、サッカーの試合ともなれば、ロボット同士の接触・転倒は免れないだろうし、そのリスクをわざわざ冒す二足歩行ロボット開発者はまず存在しないだろう。たった一つ、「打撃で相手を倒す」ROBO-ONEの参加者を除いては。
 そう! ROBO-ONE戦士こそ「世界で最初にサッカーの試合を行う」のに相応しいロボットだったのだ。
(※注釈……私は最初、この第二回『ロボカップ』が世界で最初のヒューマノイドによるサッカーの試合だと思っていたが、関係者から教えていただいたところ、第一回『ロボスクエア』ですでに2対2のサッカーの試合が行われていたそうである。ちなみに参加ロボットは、ハジメロボ・バルキー2・Adamant-Force・Weird-7の四体で、世界で最初に試合でゴールを決めた二足歩行ロボットはロボットはハジメロボだったそうだ。)

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【ロボスクエアへGO!】
 3月27日、私は交通機関を乗り継ぎ、博多リバレインへとやってきた。その地下二階にロボスクエアはあった。品が良くて静かなビルの専門店街の中に、ロボスクエアがあったので驚いた。雰囲気的に一番近い存在は「アンテナショップ」かもしれない。たぶん「ロボットのアンテナショップ」を目指しているのだろう。ウインドーにはひな祭りバージョンのマカロンとラッテ(←ソニーのアイボの一種)が展示されていた。
 ロボスクエアは白を基調としたデザインで、内部の広さはせいぜい学校の特別教室くらいのものだ。しかし、ふと気がつくと隅にテムザック社の『番竜』がいたりする所ではあるのだが。(単に展示してあっただけなのは残念。人が近づくと唸るぐらいのことはやってもよかったのでは?)
 ロボスクエア内には、すでに小さなサッカー場が作られていた。そして会場の隅にテーブルが置かれ、『ロボスクエア杯』参加者たちがロボットたちの調整を行っている。赤いシャツにネクタイ姿の人は何となく覚えがあるのだが、誰だったか思い出せない。
 前もって、九州大学ヒューマノイドプロジェクトの2325-RXと坂本元氏のハジメロボが参加することは知っていた。(ちなみに前日の西日本新聞には『ロボスクエア杯』が紹介されていて、ロボット紹介の写真の中央にハジメロボが写っていたりする。) 「他にはどんなロボットが出ているのだろう?」と思って、貼られていたチラシを見たら、なんとメタリックファイターにオムニストライカーまで来ているではないか! ほとんど「ROBO-ONEスーパースターズが福岡にやってくる!」のノリである。
 ようやく「赤いシャツにネクタイ姿の人」が誰だか思い出した。メタリックファイターのオーナー、森永氏だ。この森永氏、NHKの番組でインタビューに答えたり、ROBO-ONE参加者の交流の中心にいる人物だとも聞いている。メタリックファイターはロボカップジャパンオープン新潟大会にも参加しているので、おそらくこれだけのメンバーがサッカーの試合のため福岡に集まることに一役買ったのだろう。

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【参加ロボットの紹介】
 ここで『ロボスクエア杯』に参加した六体のロボットについて紹介しておく。

[img align=left]./images/img/stri.jpg[/img][b]オムニストライカー[/b]
オーナー・前田武志氏。第五回ROBO-ONE大会準優勝の機体。その攻撃力はROBO-ONEの中でも極めて高く、私は『赤い闘神』と呼んでいる。しかし、27日は不調でその実力を見せられず。
[img align=left]./images/img/hajime.jpg[/img][b]ハジメロボ [/b]
オーナー・坂本元氏。第五回ROBO-ONEでは第三位だったが、第五回ROBO-ONEランブル(←バトルロイヤル)優勝、バンダイカップ優勝、マカオタワーの戦いで優勝、アメリカのロボリンピックROBO-ONEバトル部門で優勝、とROBO-ONE本戦以外では最強という噂もある機体。安定した歩行とアッパーの連打は強力無比。
[img align=left]./images/img/meta.jpg[/img][b]メタリックファイター[/b]
オーナー・森永氏。第二回ROBO-ONE優勝機体。しばらくROBO-ONE本戦の優勝からは遠ざかってはいるが、第五回ROBO-ONEでは優勝した2325-RXと激闘を繰り広げてベテラン機の実力を見せつけた。なお、第三回・第四回優勝機体のA-Doと共にNHKの番組で紹介されたことでも知られる。(背後の赤い風船はバルーンファイト用のもの。)
[img align=left]./images/img/baru.jpg[/img][b]バルキー2[/b]
オーナー・ちょこば氏。ロボカップジャパンオープン新潟大会やロボカップ世界大会にも参加した。つま先の出っ張りはサッカーのドリブル用のもので、将来は自律動作でサッカーができることを目指している志の高い機体。この一週間前にはハジメロボットと共にシカゴで開催されていたロボリンピックに参加していた。
[img align=left]./images/img/robm.jpg[/img][b]ロボビーM[/b]
大阪のヴィストン社が実際に発売した機体。ちなみに第四回ROBO-ONEで準優勝した前田武志氏のオムニヘッドの量産機である。今回は赤と青の二体が参加。ボールを投げるなど高い運動性能と量産機ならではの安定した動作を誇る。
[img align=left]./images/img/rx.jpg[/img][b]2325-RX[/b]
オーナー・九州大学ヒューマノイドプロジェクト。第五回ROBO-ONEでハジメロボとオムニストライカーを僅差で破り優勝した。側転や片手倒立などができる、二足歩行ロボットとしては最高レベルの運動性能を誇る機体。今回は「頭ポリポリポーズ」というお茶目モーションを習得していた。

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【ロボット登場】
 そんなこんなで開始の午前11時がやってきた。サッカーコートの横には土足禁止の観戦用じゅうたんが置かれている。ほとんどみちのくプロレスのノリだ。そのじゅうたんには十人ほどの子供たちとその親御さんが座っていた。もちろん、これはROBO-ONEではまず見られない光景である。一般向けにロボットを紹介しているロボスクエアの偉大な実績と言っていい。私も含めてマニアらしき大人(笑)は数人というところか。
 マイクを持った司会のお姉さんがサッカーコートの向こう側に現れて、一体ずつロボットの紹介を始めた。子供が多いということもあるのだろうが、なんとなく司会のお姉さんはノリが戦隊ショーの司会のお姉さんっぽい。

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【不調の闘神】
 まず最初に登場したのはオムニストライカー。第五回ROBO-ONEで見せた「床に置いてあるボールをつかんで蹴飛ばし、続いて腰の剣を抜いての剣舞を自律で行う」という高レベルのパフォーマンスをここでもやるようだ。しかし、どういうわけかオムニストライカー絶不調。まずボールつかみに失敗し、剣もうまく扱えない。思わず私は心の中で「第五回ROBO-ONEでの凄さはどこ行ったんだ!」と叫んでいた。結局、不調ぶりはその後の試合まで続いてしまった。この日やってきた福岡の子供たちが、オムニストライカーの高い運動性能を見られなかったのは本当に残念である。

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【爆走王、登場】
 二番目はハジメロボだ。ハジメロボは第五回ROBO-ONEのランブルで、参加した八台のロボットのうち四台をリング下にたたき落として優勝した機体であり、私は密かに「爆走王」と呼んでいたりする。
 もっとも今回参加している黄金の機体は、2月29日に東京・蒲田で開催されたROBO-ONEスペシャルで初お目見えしたものであり、「赤い爆走王」機体の運動パフォーマンスを上げたものらしい。「バイバイポーズ」などのお茶目ポーズモーションが増えていたのにはちょっと驚いた。(ROBO-ONEで見せたパフォーマンスは、歩行と起きあがり動作とラッシュパンチぐらいだったので。)
 なお、「赤い爆走王」機体も会場には来ており、翌日活躍した模様。

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【レーザーブレード野郎】
 続いてバルキー2の紹介だ。私が司会のお姉さんの話を聞いていて「あれ?」と思ったのは、必ずロボットのオーナーに「どんなサッカーの動きができるか」と聞くことだった。サッカーの試合をするのだし、福岡でロボカップは知られていてもROBO-ONEのことはまず知られていない。司会のお姉さんはまずサッカー的な動きができることを子供たちに見せたかったのだと思うが、ROBO-ONE戦士は必ずしもサッカーが専門というわけではない。
 そんな中でバルキー2はサッカー用に調整してきた機体だ。必ずしもうまくは行かなかったがドリブルを披露したりして、サッカー用の二足歩行ロボットだということをうまくアピールしていた。
 子供たちにウケたのは、青く光るレーザーブレード(←宇宙刑事シリーズを知らない人には、ビーム・サーベルとかライト・セーバーとか言った方がわかりやすいか?)状の腕だった。やはりビジュアル的なものはウケるのだろう。しかーし、サッカー用に調整してきたのなら、レーザーブレードは足につけるべきだったのでは? 少なくとも青く光る足でキックの方が格好いいと思う。

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【黄金の芸人】
 紹介の時に一番ウケを取っていたのは間違いなく、メタリックファイターだろう。NHKの番組に出た時も「悔しがりモード」を披露していたりしたが、今回は恐るべき新技を披露してくれた。それは「秘技・柔軟体操」! いきなりメタリックファイターが柔軟体操始めて、その後に元気になって空手のポーズを取るというものだった。会場に吉本の風が吹いたような気がするのは私だけではなかったかもしれない。
 それに特筆すべきは名前が覚えやすかったことではないだろうか。森永氏自ら「メタちゃんと呼んでください」と語っただけあって、子供たちも「メタちゃ〜ん」と呼んでいた。これはかなり重要なことのように思う。
 私も当初はROBO-ONEに参加していたロボットの名前の大半が「英数字の嵐」だったのには、かなり面食らった覚えがある。たとえばROBO-ONE強豪ロボットの中に「HSWR」がいるが、この名前を最初から覚えられる人はあまりいないだろう。(ちなみにこの名前は開発元の「姫路ソフトワークス」ロボットの略称ではないかと思われる。)

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【驚異の量産機】
 今回、ロボビーMが二台来ていた。ボールを投げるなど抜群のパフォーマンスを見せてくれたが、オムニストライカーの前田武志氏が以前に作ったオムニヘッドの量産機だったりする。私がそのことを知ったのは国際ロボット展の会場だったが、結構驚いたものだ。
 ある意味で今回、量産機がオリジナル機体と戦ったわけだが、ストライカーの不調もあって「量産機の前にオリジナルが敗北」と言えないこともない。確かそんなロボットアニメもあったような気がする。
 ロボビーMの紹介の時、「とんでもない」質疑応答があった。じゅうたんの上に座って見ていた男の子から「どうやったらそんなすごいロボットが作れるんですか?」との質問が出ていた。ヴィストン社の人は「頑張ればできます」と簡単に答えていたが、ここはロボスクエアであり、質問をした男の子も簡単なマイクロマシンぐらいは自作している可能性がある。男の子は「僕もこんな二足歩行ロボットを作りたい!」と思ってそんな質問をしたのではないだろうか。(つまり「作り方」を聞いたのではないかと……) これもまた「ROBO-ONEの衝撃」の一つだろう。

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【鮮烈なる一撃】
 最後に地元のロボット2325-RXが登場したが、司会のお姉さんは九州のロボットであることを簡単に述べただけだった。福岡市のロボットなのだから、もう少しそこのところを強調してもよかったかもしれない。
 そして2325-RXはパフォーマンスを披露。それを見た子供たちは結構驚いたようだった。2325-RXがいきなり側転してみせたからである。私は何回か2325-RXの側転は見ているが、何の知識もない人がいきなり「ロボットの側転」見たら、それは驚くだろう。
 私の知る限りでも側転のできるヒューマノイドロボットは、世界中で2325-RXただ一機のはずである。つまり子供たちは世界最高レベルのロボットの演技をポンッといきなり見てしまったわけで、将来的なことを考えればこの意味も限りなく大きい。
 ところで全く関係ないが、私は2325-RXの胴体の配色が「何かに似ている……」とずっと思っていた。ようやく今回、それが何だか思い当たった。「ウルトラマン」に出てきた怪獣シーボーズである。2325-RXの頭部には笑顔マークが描かれているので、私は密かに心の中で「これからはニコちゃんシーボーズと呼んであげよう……」と思ったのだった。(←呼んでほしくないと思うぞ、それ……)

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【試合開始直前】
 ロボットの紹介の後、六体のロボットが赤チームと青チームに別れての試合となる。赤チームはハジメロボ・メタリックファイター・オムニストライカー、青チームはバルキー2・ロボビーM・2325-RX。明確な説明はなかったが、三体のうち一体がゴールキーパーに回り、二体が攻撃するというチーム編成のようだ。
 それぞれの前半のチーム編成は、それぞれ赤チームがオムニストライカー、青チームが2325-RXをゴールキーパーとして配置。
 試合は前半と後半に分かれ、前半終了後に一分間のインターバルを経てコートチェンジして後半の試合開始となる。前半・後半共に五分間だったような気がするが、正しい試合時間は失念。
 サッカーフィールド上にロボットの配置が終わった後、参加者の間から「豪華だねえ」という言葉が漏れた。確かにROBO-ONEの強豪ロボットがずらりと並んでサッカーをするなど、豪華以外の何者でもない。さあ、二足歩行ロボットによるサッカーの始まりだ!
[img align=left]./images/img/siai.jpg[/img]

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【苦難の前半戦】
 司会のお姉さんのホイッスルが鳴り(←この人が審判らしい)、バルキー2のキックオフ(←確かそうだったと思う)で試合が始まった。しかーし、試合は「華麗」とはほど遠いものになった。まずオムニストライカーが不調でほとんど動けず、「はっ! これは人形!?」と化していた。サッカー用に調整してきたはずのバルキー2も転倒が多く、なかなかボールのところまでたどり着けない。他の機体もボールを蹴ること自体に苦労していた。そして予想もしていなかったであろう困難がロボットたちの前に立ちふさがった。
 その一つは起きあがりである。ボールのある所にロボットたちが集まってくることにより、その結果として接触による転倒が多発した。
 ROBO-ONE戦士たちのほとんどは転倒しても自力で起きあがることができる。しかし、ボクシングのように片方が転倒したらロボット同士を離すのが基本のROBO-ONEと違い、サッカーはその場で起きあがるのが普通だ。つまりロボットたちはロボットが密集した状態で起きあがってくるため、再びの接触、あるいはロボット同士の回線がからむという危険に見舞われることになる。
 とりあえず司会のお姉さんが「危険」と判断したら、ロボットを離していたようだが、今後ロボットサッカーを行うに当たって最も配慮しなくてはならない部分だと思う。
 二つ目の困難は、「ロボットはボールを前に押すことはできても、後ろに引くことはできない」ということだった。後ろ方向にボールを動かそうとするアクションは何度か試みられたが、いずれも失敗。考えてみれば「片足立ちした状態で、足裏でボールを触りながら後ろ方向へと足を動かす」行為はかなり高度な制御を必要とする。Jリーガーには簡単でもロボットに取っては至難の技だったのだ。
 従ってコーナー部分にボールが入ると、ロボットは何もできない状況になり、試合はストップ。仕方なく人の手でボールを中央に戻して試合を再開していた。
 そんな中、最大のアクシデントが発生。ゴールの前にいた2325-RXが突然仰向けに転倒し、両腕がゴールネットに引っかかってしまったのである。へたをすると関節部のモーターがネットを巻き込んでしまう。試合中にもかかわらず、九州大学ヒューマノイドプロジェクトのメンバーが飛び出して、必死に救出を始めたことからもアクシデントの重大さがうかがえる。
 そんなこんなで前半戦は試合らしい試合にならないまま、0対0で終了した。

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【見せろ、ROBO-ONE根性!】
 ばたばたした印象のある前半戦を見て「まだ二足歩行ロボットにサッカーの試合はまだまだ早いのか?」と思わないこともなかった。しかし、そこはROBO-ONE戦士。試合中に腕が不調になっても一分間のインターバルで直してみせるのがROBO-ONE。障害物タイムトライアルで段差があっても素直にステンレスの上に転倒して前に進むのがROBO-ONE。おそらく後半戦までの一分間のうちに戦略の修正をかけてくるだろうと予想していた。事実、後半戦はそうなった。
 ところですぐ前で観戦していた子供たちは、前半の試合が終わると同時に遊びに出てしまった。しかし、後半戦が始まるとすぐに戻ってきた。むう、これが最近の子供というものなのか……

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【後半始まる】
 後半戦はコートをチェンジしての戦いになる。後半戦の前、青チームはネットに引っかかった2325-RXを前に出し、代わりにバルキー2をゴールキーパーに据えた。赤チームは変更なし。
 後半戦が始まった。結論から言うと、後半戦は試合らしき試合になったのである。ボールの向きが逆の時は、ロボット自身が足踏みしながら回り込む。転倒して危険と思われる場合は審判の許可を得て、『神の手』(←ROBO-ONE用語で、試合中に人の手でロボットを起こしたり移動させたりすること)でロボットを動かしてから起きあがりをさせていたりした。
 そしてその瞬間がやってきた。青チームのゴール前に転がったボールは、ゴールに入らず直前でストップ。そこへメタリックファイターが歩き込んで、倒れながらシュート。(←シュートと同時に転倒、とも言う。) 浮いたボールは見事にゴールに入り、第二回『ロボスクエア』杯の初得点となった。
 しかし、試合はこれでは終わらなかった。青チームで一番調子のよかったロボビーMが反撃。中央のやや右よりから放ったシュートは、オムニストライカーとハジメロボの間を抜けてゴールへと転がっていった。
 こうして第二回『ロボスクエア杯』最初のサッカーの試合は、1対1の引き分けという結果で終了した。
 余談だが、この第一戦の時、司会のお姉さんは「ロボビーM」のことを盛んに「オムニ」と言っていた。確かに元になった機体の名前ではあるのだが、だとすると「オムニ」ストライカーの立場はいったい……

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【バルーンファイト】
 続いて背中にくっつけた風船を割る「バルーンファイト」が行われた。よくは見えなかったが、ロボットの腕に針(後につまようじと判明)をつけてそれで風船を割るらしい。相手の背後を取って、攻撃により風船を割る。サッカーよりもこちらの方がROBO-ONEに近いと言えなくもない。
 赤い風船をつけた六体のロボットが、サッカー場にそろい、いざバトル! しかし、試合はかなりマヌケなものになってしまった。攻撃で割れた風船は一つもなく、全部「背後への転倒による自重での破裂」だった。
 最後まで残ったメタリックファイターが優勝となったが、勝負の趣旨が何か違うような気がする(笑)。

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【休み時間?】
 次の13時からの試合は見なかった。なぜかというと、同じ福岡市にある西公園へ桜を見に行ったからだ。(桜はいまいち咲いていなかった。) そのまま帰ろうかとも思ったが、ROBO-ONE戦士は何度か経験を積むとえらく器用になったりする。とりあえず15時からの試合を見てから帰ることにした。

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【白熱の第三戦】
 予想通り第三戦はかなり試合レベルが上がっていた。やはりオムニストライカーは不調だったが、第一戦で転倒が多かった2325-RXは復調し、試合を引っ張った。
 前半戦、2325-RXが遠くから放ったシュートはゴールまで届かず、それならばと2325-RXは得意の高速歩行でボールを追う。そのままオムニストライカーの横を抜けて、2325-RXはドリブルでボールをゴールへと持ち込んだ。
 この時、おばさんが動かないオムニストライカーを見て「あの人だけ何もしよらんねえ」と言っていたのを私は聞いてしまった……
 後半はハジメロボの攻撃を青チームが防ぐ形となった。ハジメロボは安定した歩行で、ライン沿いに転がったボールをそのままゴールへと持ち込もうとする。しかし、ロボビーMがゴールの前に立ちふさがり、ハジメロボの動きを塞ぐ。ロボビーMの横にいたチームメイトの2325-RXは側転でハジメロボの向こう側に移動。ゴールの逆なのでサッカー的には意味がないように思われるかもしれないが、ライン沿いで前後からはさまれた形のハジメロボは方向転換ができなくなり、立ち往生。そのままタイムアップで、今回は「1対0」で青チームの勝ちとなった。
 なんと第三戦にして「連携プレー」が見られたのだ。そういう点でもROBO-ONE戦士の適応力の高さがうかがえる。

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【バルーンファイト、再び】
 サッカーだけでなく、いきなりバルーンファイトのレベルも上がっていた。ちゃんと背後を狙って攻撃する格闘になっていたのである。
 最後にはハジメロボと2325-RXの1対1の対戦となった。ハジメロボが背中を見せたのを狙って2325-RXはついに必殺技の半側転オーバードライブ・ブロー(←第五回ROBO-ONE決勝リーグの一回戦では、このパンチで相手をリング下まで吹っ飛ばしている)を放ったが、タイミングが少し遅れて当たらない。逆にバランスを崩してうつぶせに転倒。そこにハジメロボがパンチを繰り出して風船を割り、この回の勝者となった。

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【ROBO-ONEの風】
 第三回目の試合の時、意外と一般の人たちが周囲で見ていた。博多リバレインに買い物に来て入場無料なのでついでに見ていた、感じのする人たちだった。今までのROBO-ONE大会は「そこでROBO-ONEが開催されている」ことを知っている人だけが、見に来るようなものだと言ってよい。
 つまりROBO-ONEに関して知識のない人たちがROBO-ONE戦士の活躍を見ていたわけで、その意味でも『ロボスクエア杯』の意義は大きかったと言える。
 そしてその人たちの反応だが、買い物に来ていたと思われる若い女性は、ロボットたちの起き上がりを見て「すごいすごい」と言っていたし、老夫婦は感心したような様子でサッカーの試合を眺めていた。
 最後に六体のロボットをサッカーコートに並べて、その後ろに子供たちが並んでの記念撮影会が行われた。その時、六体のロボットは間違いなく子供たちのヒーローになっていた。
 かなり限定的なものだったとはいえ、博多に吹いた「ROBO-ONEの風」は、今後の福岡のロボット熱に影響を与えて去っていったように思う。

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